野菜スープにチキンブイヨン使ったら、野菜のスープじゃないよね・・?

ベジタリアン スープ

「スープを作るのが好き」
「スープ作りが得意」

なんていうと、

「ふふっ・・。」

と鼻で笑うヤツがいる。

「そんなカンタンなものが得意だって?」
とでも言いたそうだ。

いやいやいや、君はスープ作りをみくびっている。
野菜を水で煮て、
固形スープぶち込んで、
ミキサーでガガーッと。
これがスープだと思っている?

だとしたら、今度は私が「ふふっ」と笑う番だ。

確かにスープ、野菜のポタージュとは、
そういう形状のものだろう。
野菜を水と共にに火を入れて、
ピュレ状にしたもの。

しかし、野菜スープと言っているのであれば、
チキン味固形ブイヨンなど
使うべきではない。
野菜スープは、
ベジタリアンやビーガン食べられる大切なveggi食。
味は肉、魚以外から取られるべきである。

これが私の考え。

ヨーロッパでは、レストランなどで
野菜のスープといえば、
チキンの出汁は使わない。
そんなことしたら、
べジリアン、ビーガンの人達から
ブーイングがおこる。

日本は、まだそこんとこ曖昧だな。

野菜だけのスープはマズイ??

若き頃、
一旦コックさんになる夢をあきらめた私は
印刷会社で働いていた。
若い時の夢というのは、
そう簡単に諦められるものではない。
そう思わないか?

私もそうだった。
ベジタリアンだった為、
一旦はコックさんになることを諦めOLになった。
でも、毎日がつまらなかった。

そこで始めたのが、終業後の夜のバイト。
いや、あやしいバイトではない。
銀座のフレンチレストランに、
パントリーとして入ったのだ。

仕事は、グラニテの盛り付け、
デザートの盛り付けの他、
シルバー磨き、グラス磨きだった。
グラニテとは、魚料理と肉料理の前に出される
シャーベットみたいなもの。
いわゆる「口直し」だ。

スプーンでクネル状にスクープして、
グラスに盛りつける。
デザートは、内容が違うだけで、
盛り付けは一緒だった。
フレンチといっても、そんな時代だった、
日本は。

肉、魚は食べないから、
調理の仕事は出来ないが、これならできる。
なんといっても、レストランという
食の第一線に身をおけることが
幸せだった。

ある日、料理長に日ごろの悩みをぶつけてみた。
「なぜ、野菜スープに
チキンブイヨンを使うのですか?」

野菜スープに肉のブイヨン使ったら
野菜スープじゃないだろ?
と悩んでいたのだ。(笑)

料理長の答えは、
「野菜だけで作ったスープなんて、
マズくて食べられないよ」

・・・・!!
Σ(゚д゚lll)ガーン だった・・。

「そうなのか・・・。」
途方にくれる私。

後にイギリスへ行き、
ロンドンのフレンチブラッセリーで
働きだした私は、その料理長の答えを
くつがえされた経験をする。

ロンドンのフレンチブラッセリーで受けた衝撃

ロンドンのサウスケンジントンというエリア。
フランス人が多く住む地域だ。
フランス大使館もあるし、
フランス語の本屋、デリカテッセン。
そして、フランス人の子供たちが通う、
フランスの学校もある。

そんなところにあった、
小さなフレンチブラッセリー。
ヘッドシェフをはじめ、マネージャー、
フロアスタッフ、ほとんどフランスな世界だった。

そこでは、4種類のスープを毎日用意していた。
1つは魚のアラから作られたスープ。
そしてオニオングラタンスープ
あとの2つは、
soup of the day、
今日の日替わりスープ
だった。

この日替わりスープが出るわ出るわ。
またたく間になくなっていく。
なので、毎日毎日仕込まないといけない。

そして野菜のスープ(ポタージュ)は
すべて野菜から味を出していた。
野菜だけではない。
野菜料理につけるソースのもととなる
ブイヨンも野菜から作っていた。

スープはどれも、とてもおいしく、
「こんなおいしいスープがあるのか・・!?」
と衝撃を受けた。

それから私のスープ作りは変わった。
そこでの経験を元にして作っている。

チキンブイヨンはもちろん使わないが、
野菜の固形ブイヨンも使わない。
それでも美味しいものができる。

ただ、さまざまな野菜を使うことになるが。

スープに使うのだ。
しなびたニンジンだって、
黒くなってしまったマッシュルームだって
使える。
野菜だって生きているのだ。

鍋の中のみんなと話してみる

スープは単純、カンタンな料理だが、
野菜から味を出そうと思えば、
野菜の切り方から気にしなくてはならない。
そして、どうやったら野菜達が
おいしい味を出してくれるのか。

これはまさしく、
「鍋の中の素材と話しをしながら」
の作業
なのだ。

日本で働いていた時、先輩から言われた。
鍋の中の材料は、
常に「サイン」を送っていると。

「あー、まだまだ。もうちょっと炒めて」
「はーい、もう次入れていいよ」

ってな感じに。
それは、
音でだったり、
匂いでだったり、
色だったりとさまざま。
料理は素材との会話ではないだろうか。

あなたがもし、
「もうちょと料理上手になりたい」
と思っているのであれば、
そんなことに気を付けてあげるだけで、
グンと違ってくるだろう。

レシピはあくまでもガイドライン。
同じ素材を使い、同器具を使い、
同じレシピで作った料理。
人が違えば、味は同じにはならない。
作る手、作り手が違えば、味は変わってくる。

スープはそんな料理のひとつだと思う。

私は今ではベジタリアンを止めているが、
それでも一番好きなのは
肉や魚より野菜だ。
そして、おいしいスープを食べると、
野菜ってすごいってつくづく思う。