おいしい料理を作るコツは「気にかけてあげる」こと

こんにちは。はまちゃんです。

料理は「食べられるものを作る」という意味では誰だってできる作業。

炒めるだけ
煮るだけ
茹でるだけ

なんて別に何も気にしなくても誰だってできる。

しかし、作る人によって料理は、
「まあ、別に。ウマくもマズくもない」
になったり、
「うん、おいしい」
になったりする。

同じレシピを使って作っても、作り手によって味は変わるもんだ。

この違いはなんなんだろうか?

今回は、母に料理指南して感じたことを、長年やってきた料理の仕事に投下。
そして仕事の経験から、「おいしい料理を作るためには」という事について書いてみたい。

おいしい料理を作るコツは「気にかけてあげる」こと

ケールスープ

おいしい料理を作るのに、高度のテクニックやバカ高い材料もいらない。
もちろん、オーガニックの野菜やフルーツはおいしい。
でも、毎日のご飯を美味しくするために必要なのは、ちょっとした知識と接し方だけ。
ここでいう接し方というのは、素材。料理の材料のことだ。

今日、私が母に料理指南したのは、「ブリの煮物」。
この母のブリの煮物を例に「気にかけてあげる」という事を説明してみよう。

数日前にお買い得で買ってきたブリの切り身。
母はこれを煮ようとしていた。

ゴソゴソと冷凍庫のブリを探す母。
どうやら冷凍してしまったらしい。

「なに? ブリ冷凍してあるの!?」
「うん」と返事する母に、私の口が火をふく。
「じゃあダメじゃん! なんで昨日の夜に冷蔵庫に移しておかなかったの!?」

ここからもって母は材料に気をかけてあげていないのだ。

母がやろうとしている手順をまず書いてみると。

  1. 冷凍ブリをレンジで解凍
  2. 調味料を合わせて鍋に煮汁を作る
  3. 煮汁が沸騰したらブリを入れる
  4. 落としフタをして煮汁でブリを煮る
  5. 10数分煮て出来上がり

もちろん、食べられるものを作るだけならこれだけでいい。

ここに「おいしくするために気にかけてあげる」という行為が入るとどう違ってくるのか。

  1. 調理前日に冷凍ブリを冷蔵庫に移す。
  2. 翌日には自然解凍している。
  3. 魚の生臭みをとるために、煮る前に一度熱湯にくぐらせ臭みをとる。
  4. 氷水につけて魚に火が入るのをストップ
  5. 調味料を合わせ鍋に煮汁を作る。
  6. ショウガと共にブリを入れ煮る。
  7. 落し蓋をして、ときどき煮汁をかけてあげながら10分煮る。
  8. ブリに半分くらい火が入ったら、強火にして煮汁を煮詰め照りをつける。

となるだろう。

もちろん、ちゃんとしたレシピにはここまでのプロセスがちゃんと書かれている。
しかし、人によっては10分煮るだけで、煮詰めて煮汁にテリをつけるところは端折って考えてしまう人が多いのではないだろうか。
「煮えたからいいや」って。
ウチの母がそうだ。

なぜ煮汁にテリをつけるのか。
火が通っているなら別に煮詰めなくてもいいじゃない?

煮汁を煮詰めてテリをつける。
これは盛り付けた時の見た目を気にかけてあげているということ。

なんでもない手間=気にかけること

料理を美味しくするためには、「なんでもない手間」を気にしてあげることだ。
全ては料理の、

味、
見た目、
食感、
香り、
栄養

を良くするためにつながっている。

例えば、

冷凍庫から冷蔵庫に移し自然解凍させる
レンジで解凍は便利で早い。
しかし肉や魚をレンジで解凍するとムラができ、うまく解凍できない場合がある。
所々火が入ってしまって白くなってしまう経験は誰にでもあるだろう。

「どうせ調理するんだし、おんなじこと」
と思っていたら、この記事を読む必要はないんですけどね。

当たり前だが、料理する前は素材が良い状態であるのがベスト。

買ってきて日にちがたって、しなびれてしまったサラダやハーブ。
誰だってヘナヘナの生野菜サラダは食べたくない。
火を通さないこれらだって、
ちぎって冷水に浸す、
茎の部分をカットして水に差す
ということをすれば、15分くらいで葉っぱはパリパリに、ハーブ類などもピンとして元気になる。

魚の臭みをとるのに熱湯にくぐらせる
下処理や下ごしらえというのは、もっとも「手を抜いて気にかけなかったか」「気にかけてあげたか」がわかるポイント。

この場合は魚を下処理せずに料理すれば、出来上がりは魚臭さが鼻につく一品になってしまう。

レバー類を調理する前に牛乳に漬けておいたりするのも、臭みを取る為。
こういう手間とコストをかけているからレストランの食事は高いしおいしいと理解しておくといい。

パスタを茹でる時の塩
青菜を茹でる時の塩
一見なんてことない手間に見えて、やらなくても大丈夫だろうと思うだろうが、その差はでる。

パスタの塩はパスタに下味をつけるためだし、青菜を茹でる場合は、キレイな緑色を出す為。
そして青菜を茹で上がりに冷水につけるのも、茶色くならずに緑色をキープする為だ。

煮汁をかけながら煮る
ぶっちゃけ、煮汁をかけながら煮なくても、落し蓋をしていれば魚は煮える。

出来上がりはというと、
なべ底に当たっている魚の裏面は煮汁が染みていても、上になっている部分は火は通っていても白っぽく汁はしみていない。
その上乾いてしまえば、見た目の美味しさは半減。

「煮汁をかけながら煮る」というのは、魚の表面に煮汁をしみこませ、味をよくする。見た目を美味しそうにするという意味がある。

「落し蓋をして10分煮る。はい出来上がり」
は、作る側からしてもカンタンでいいと思う。
でもおいしい料理を作るなら、その「10分」は、

落し蓋をして放っておきっぱなしの10分。
落し蓋をして汁をかけながらの手間をかけた10分。

で違いは大きい。

一皿に気をかけすぎなプロのシェフ達

世界のシェフが客に出す一皿一皿にどれだけの集中力と注意力を払っているか。

材料選びに気を使い、
下処理、下ごしらえに気を使い
調理に気を使い、
盛り付けに気を使い

これは高級レストランになるほどそう。
高級なところは、上がってきた料理を最終的にヘッドシェフ、またはスーシェフがチェック。
見た目をチェックし、ソース用の小さな鍋に入ったソースの味を味見、チェックしてから仕上げに皿の上の料理にかける。
皿の汚れなどをキレイにして、サービスする人の手に渡り客の前にサーブされるのだ。

普通に考えれば、メインの肉料理。
この一皿にかかわるシェフは3~4人。
肉を焼くシェフ、ソースを作るシェフ、付け合わせの野菜料理を作るシェフ、盛り付け・チェックをするシェフだ。

肉を焼くシェフは、オーダーが入った時点で肉を冷蔵庫から出し、塩コショウして常温に置いておく。
これは、肉に均等に火が入るための配慮。
冷蔵庫から出したばかりの肉は、表面は焼けても中心部は冷たく火が入りにくい。

そしてスターターが下がってくる頃を見計らってタイミングよく肉の調理に入る。
ね、すごい気の使いようでしょ?

一皿の料理を提供するのは娘を嫁に出すのと同じ?

ロンドンで一時期働いていたフレンチブラッセリーのフランス人ヘッドシェフ、レイモンドは私にこう言ってくれた。

「トキ、僕はね、お客さんに出す料理は自分の子供だと思っているんだ」

ロンドンにいったばかりの頃、英語もろくに話せない私によく言ってくれたと、今になっては思う。
でも、彼が言わんとしている事、今となってはよく分かる。

料理とは十数分で子供を産んで嫁に出すことと同じ。

まず素材選び。
これは出産前の胎教かもしれない。
産地や新鮮さをえらんで材料を購入。

そして子供を産んで必要な教育を受けさせるのは、料理でいえば下ごしらえかもしれない。

娘が成長してステキな人とと出会うのは、料理で言えば素材の組み合わせ、相性のいいソースだったり。

式場選び。これは料理で言えば、その調理法に合う鍋だったり、適切な道具だったりの選定。

そして結婚式では、料理にピッタリな皿というドレスを着せ、付け合わせやデコレーションというアクセサリーをつける。

最後にお客さんという花婿さんに送り出してあげる。

自分の手から生み出されるものは、自分の分身のよう。自分の何%かがそこにはいっている。
人によっては、それを自分の子供と表現するのかもしれない。

料理人が自分の提供する料理を「気にかけてあげる」のは、そこに何%かの自分が入っているからだと思う。

おいしい料理を作るコツは「気にかけてあげる」こと まとめ

今回はおいしい料理を作るのには、素材を気にかけてあげることだよ、ということについて書いた。
レシピを読んでいて、

なんでこんなことするの?
なんでコレ入れるの?

なんて不思議に思う事もあるかもしれない。
ワケわからないから無視していいかな?と思っても、そこには、それなりの理由があってそのプロセスが存在する。
それは、例えば臭みをとる為だったり、出来上がりの見かけを良くするためだったり、食感や栄養的に良くするためだったりする。

ひとつひとつのプロセスには、料理や素材に対する「気にかけてあげる」行為で、言い換えれば「愛情」ということになるだろう。クサイ言葉だが。

コンビニの食品で自分は全然幸せという人は、それはそれでいい。
その人の生活でその人の体だ。

この記事は、料理が好きな人、もっと料理がうまくなれたらいいなと思っている人にあてて書いてみた。

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