ロンドン生活 2020年11月18日 バナナのたたき売りとホームレス

「Pound a bowl!」「Pound a bowl!」
「1ボール、1ポンドだよ!」

という声が聞こえる。

オーダーされていた食事をデリバリーした帰り、いつもマーケットが開かれている通りを歩いていた。
もう、6時近く。
天気も悪いので、あたりはもう暗い。

声の方を見ると、まだマーケットのストール(出店)をあけているところがある。
他の所はみな閉めているのに。
どうやら売れ残りをさばこうとしているようだ。

バナナが8ボールくらい残っている。

ひと房のバナナ1ボールで1ポンドは、そんなに安くないじゃん。
と思っていたら、

「2ボールで1ポンドだよ!」

と、おっちゃんが言ってきた。

これぞバナナのたたき売り!

2ボールで1ポンド。それなら。。
と買うことにした。

暗かったのでよくわからなかったが、よく見ると4房入っている。
1ボールに入っていたのは、2房だったのだ。

こりゃお買い得。
でも、こんなにいらないわ。。

考えた挙句た、ホームレスに分けることにした。

~◆~◆~◆~◆~◆~

いつもスーパーの前に座っている東欧系と思われる女性。
彼女にあげると、Thank youではなく、okと言われた。
英語があまりしゃべれないのだろうか。。

次に駅の近くにテントを張って生活している人。
「いるかな?」
と行ってみると、暗がりにテントが見えた。

近づくと、この小雨が降る中、外に座っている。
パーカーを着てフードをかぶっている。
誰かがくれたであろう、冷え切ってしまったコーヒーの紙コップを大事そうに両手で包んで。

バナナを1袋取り出し、
「Sorry, just bananas」
(ごめんなさい、バナナだけなんだけど。。)

と言いながら手渡す。

パーカーの中の顔がこっちを向く。
暗がりに白い口髭が見える。

「Thank you very much. Have a lovely evening」
(どうもありがとう。いい晩を)

と言った彼の言葉を聞き、私は返す言葉を失った。

びっくりした。
そのホームレスの男性が発した英語は、
教養のありそうな、とてもキレイな発音の英語だったのだ。

なんでこんなキレイな英語を話す人が、ホームレスやっているんだろう。。
かなりショックだった。

この方は以前からいる方だが、最近は普通の恰好をしたホームレスが増えたように思う。

ついこのあいだも、別の駅の近くで、若い普通の服装をした女性がホームレスをやっていた。

彼女は、人目もはばからず泣いていた。
理由は知らない。
でも、

「なんで私はこんなことやってるんだろう」

恥ずかしくて、情けなくて泣いている。
見た瞬間、そんなふうに私は感じた。

自分がホームレスになるなんて、今まで夢にも思わなかったんだろう。
1人の女性が、バゲット(フランスパン)のサンドイッチを渡しながら、一生懸命彼女の背中をさすりなぐさめていた。

コロナで考えられないほど多くの人が仕事を無くした。
私もその一人。
私だって、下手すればホームレスだ。
人ごとではない。

明日は我が身。
いつまで、屋根のある所で眠ることができるだろう。
やわらかいベッドで眠れる。
そんな当たり前のことを、この世界の未曽有の出来事はおしえてくれたのかもしれない。

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